日本人にとって夏とは
蝉時雨、猛暑にも少し慣れてきた。
日本人にとって戦争の終わりの季節だ。
今年で69年。そして僕もひとつ歳を取る。
フランス革命で王権が停止された201年後の8月10日に僕は生まれた。
そのフランス革命後の世界秩序を構築したウィーン会議から約110年後、第1次世界大戦は凄惨を極めた。「勢力均衡」は失敗したのだ。主戦場となったヨーロッパでは、戦勝国にせよ、敗戦国にせよ、代替不可能な代償を払った。僕がドイツとフランスに挟まれたベルギーの国民だったらと考えるとぞっとする。罪なき大学都市ルーヴェンは破壊しつくされた。
日本にとっては、ある意味対岸の火事だった。
地中海に軍艦を派遣したくらいだろう。
それでも戦死者が出た。マルタ島に400人ほどの戦没者慰霊碑が立つ。
彼らの死はなんだったのだろうか。
勝ち馬に乗った日本は、この戦争で味をしめたように、南方、北方へと侵略に邁進する。資源のない極東の島国が、他国に征服されずに、国民と文化を守るにはその方法しかなかったのかもしれない。
つまり、ウィルソンが提唱した戦後の秩序はさっそく機能していなかったともいえる。20年もしないうちに、第一次世界大戦が残した火種が、ふたたび世界を戦争に向かわせた。
それでは69年前に構築された、二度と世界大戦を起こさないための世界秩序は機能しているのか。せっかく授業がないので、現代史を概観しよう。
ドイツの哲学者カール・ヤスパースは「軸の時代」という言葉で、2800年前から、2200年前に世界の東西南北で起きた、人間を一か所に集める求心的な中心の存在の誕生をあらわした。中国では孔子と老子が生まれ、後に続く諸子百家が中国の哲学を生んだ。インドではウパニシャッド哲学が成立し、のちにブッダが生まれた。イランではゾロアスター教が生まれ、善悪二元論が完成し、地中海のギリシャでは、ソフィストたちが思索し、中世のキリスト教社会とは別の見方で世界を理解しようと努めた。
いま世界にあるのはどんな求心力だろうか。
「資本主義と民主主義」だけで切り捨てては現代史を理解できない。
噛みつくには壮大すぎるテーマであるが、ちょっと勉強したい。
ある程度、頭のなかでまとまったら投稿する。
日本史と世界史を勉強しなおそう。
*明治維新以降の日本史・世界史を互換的に学習するため、西暦・和暦対応図を作ったので、リンク貼っておきます。ご活用ください。パスワードはhistory です。