Maekazuの社会学

社会学を学ぶ大学生が、その時々思ったこと自由にを書きます。

2014-01-01から1年間の記事一覧

清く貧しく生きて行かん

人身事故に遭遇した。僕の乗っていた列車が人を轢いた。駅間だったので、降車することもできず、人生の中でもトップクラスに暇な2時間半を過ごした。年末に多いのは何故か。それとも寒いからか。(社会生活が活発になる季節に自殺は多くなるとデュルケームの…

中国行きのスローボート

「靴を忘れないようにね」忘年会シーズン、いつか、女の子に言おうと温めているセリフです。 24:00ぴったりの終電を逃しそうな女の子にかける。もっとも、郊外に住む僕の終電は新宿駅11:30発なので、シンデレラとの夜遊びはできないのだが。これは村上春樹…

六大学野球を見に行った

2010年11月、50数年ぶりだとかいう、六大学野球の優勝決定戦としての早慶戦を、NHKの全国放送で観たひとりの少年は、早稲田大学に憧れた。日本ハムの斎藤佑樹がキャプテンの年だった。点が入るたびに、スタンドを埋め尽くした早大生が肩を組み「紺碧の空」を…

自由からの逃走

近代以降、人は自由に苦しめられている。これほどまでに自由を手に入れたのにちっとも幸せになれない人が大勢いる。 近代化、つまり工業化を経て、多くの人々が都市に暮らすようになった。そこには小さな農村社会のしがらみや因習などは存在しない。眼前には…

About Comfort Woman

従軍慰安婦について思ったことを記録しておきます。最近、2本の論考を読みました。 ひとつめは、冷泉彰彦氏のコラムです。(朝日「誤報」で日本が「誤解」されたという誤解 | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト) この…

ISISについて思うこと

数週間前、イスラム過激派の問題は日本社会においてはリアルになり得ないと、ツイッターで発言した翌日に、北大生がISISに参加するための準備をしていた罪で捕まったことがニュースになった。 少し外に目を向ける。BBCによると、15歳のごく普通の少女が家出…

自己批判

これまでのエントリーの反省をします。マックス・ウェーバーは、社会学の研究において、「事実と存在」と「規範や道徳(価値観)」を分けて考えるべきだと考えました。つまり「~である」と「~であるべき」とを分けて研究をしなければならないということで…

青春の夢に忠実であるために

どうもこんにちは。 すっかり秋も深まりましたね。古来から日本人は、とりわけ文芸の世界では、春よりも秋に愛着を持っていたようです。そりゃそうです、温帯ですからね。フランスのニュース番組で、日本でおなじみの竹や蓮そしてイチジクの木などが「異文化…

出国ラッシュ

今月はじめ、浦和伊勢丹の屋上ビアガーデンで4人の男女が語り合った。 高校時代、ドイツに交換留学したメンバーだ。 ふたりは長期の留学で、それぞれドイツのボンと西海岸のカリフォルニア。 先日のカリフォルニア州で日本人学生が起こした車の死傷事故のニ…

社会学が扱う範囲

人間は社会に拘束されて生きる。 僕の祖父の出身地は北海道北西部の羽幌町という町で、かつては苫前炭田の炭鉱の町だった。しかし、1960年代に起きた石炭から石油へのエネルギー革命は、彼の出身地に大打撃を与えた。たぶんそんな要因もあったのだろう、祖父…

日本人にとって夏とは

蝉時雨、猛暑にも少し慣れてきた。 日本人にとって戦争の終わりの季節だ。 今年で69年。そして僕もひとつ歳を取る。 フランス革命で王権が停止された201年後の8月10日に僕は生まれた。 そのフランス革命後の世界秩序を構築したウィーン会議から約110年後、第…

パートタイマー反乱

先進国でなにか消費する対象を生み出すには、とにかく人件費がかかる。 これまで、日本では企業がそこで働く人の福祉を担ってきた。保険然り、健康診断も会社単位で保障した。従業員の家族間の繋がりもあり、コミュニティとしても機能していた。 これらは、…

書くということ

最近、出かけるたびに古本屋で岩波の新書を2、3冊買うことにしている。 できるだけ役に立たなそうなテーマを選んで。 そんなこんなで、読むべき本は僕の目の前に山となり、テスト勉強があまり捗らないまま今学期を終えようとしている。 それでも、社会学の学…

春学期

の講義がすべて終了した。 僕の専門である都市社会学の講義をたくさん受けたかと言えばそうではなく、 宗教社会学の講義をできるだけ受けたかというと、そいつもそうでもない。 ちなみに今学期から「前期・後期」改め「春学期・秋学期」になったらしい。 僕…

社会調査士への道

たしかゴーギャンの絵みたいな夏の日だった。 その夏、僕は高校1年生で、ある女の子に恋をしていた。 そして想いを告げて玉砕した。 かねてから、僕の想いは透けて見えていて「わたしなんかじゃ人生無駄にする」なんて言われてた。それで、脈がある!と思っ…

夏のアドリア海に吹く局地風といえばなんでしょう

日本の戦争責任について問いただす声は静まらない。 それらは主として隣の国々から発せられる声だ。 以前のエントリーで、細かい歴史認識に齟齬があれども、日本の蛮行とも言える事実があったことは双方が認めている以上、日本は永久に加害者として振る舞わ…

我 愛 池袋!

昨日、池袋西口で脱法ハーブを吸った男の車が暴走した。 大学がある側で、よく行くラーメン屋の近くだ。 地方から出てきた友人に、心配した彼の母親が電話をかけてきた。 この事故で一人の方が亡くなったのだが、中国、福建省出身の若い女性だった。(西池袋…

20世紀のおわり、中学生たちは、俺たちを一括りにするなと叫んだ。

重松清の『エイジ』は僕にとって青春のバイブルだった。 何度も繰り返し読んだ。適当に開いたところから読み進めるくらい読んだ。新潮文庫だったが、カバーはどこかになくなった。 あらすじを簡単に紹介しよう。東京都下のニュータウンで連続通り魔事件が発…

ラーメンは日本文化か

こんにちは、今日も教養人目指してあれこれ頑張ってます(笑)久々に「ラーメン二郎」と対決しました。二郎マニアがすぐに悪口を言う池袋東口店です。胃袋への虐待でした。昼下がりだというのに店内をぐるりと行列が囲います。壁には古い定期券が貼り付けら…

震災を経て日本人は優しくなったか

たんなる前回の南アフリカW杯との比較だが、2010年は開幕前に「岡田ジャパンには期待薄、グループ・リーグですぐ負けて帰ってくるだろう」という冷たい意見をよく聞いたものだ。特にワイドショーや週刊誌の広告という大衆向けのメディアで。予想に反して勝ち…

民主主義の誕生日、あるいは自由への回帰

1989年6月4日についてのエントリーを書いたが、この日付は世界史上、2つの大きな意味を持つ。 ひとつは天安門事件だ。日本の新聞でも、この事件から25周年だと大きく報道されていた。そして、実はポーランドにおける初の自由選挙が行われてからも、今年の6月…

5月35日

今日は天安門事件から25周年。 広場に集う民衆の声を戦車で踏みにじった近代への冒涜とも言える事件だ。世はテレビの時代で、世界のお茶の間にその映像が流された。国際的に制裁を受けたが、指導者の首がすげ替えられただけで共産党は折れなかった。 中国、…

日本人と単一民族神話

休日の昼間、月に1度かならず会う人がいる。新聞の集金のために休日は(おそらく平日もだろう。平日の昼に出くわしたことがある)あちこち回っている。サンバイザーこそ被っているものの、彼女の肌は恐ろしく白い。ベラスケスの絵画から抜け出してきたみたい…

枕木は燃えて

人の書く日常の取り留めもない出来事の記録や、全く意味を持たないような文章を読むのが無条件で好きだ。もし携帯電話やスマートフォン、そして本や新聞が手元に無い場所に監禁されたら、加湿器の取扱説明書でも手当り次第に読みだすだろう。なぜなら僕はト…

社会復帰にむけて

最近それなりに忙しい。 ひとつの組織を動かしている以上、 理事の方々との相談や、公益団体の方との交渉があり、連絡を密にしておかなければならない。電話やメールの着信音にとても敏感になった。 これまでは、頭のスイッチがオンになっていなければ電話は…

憧れのワイキキ

このブログのわきに載せられる広告は僕が書いた記事を反映しているのでしょうが、先日のハワイの記事を投稿して以降、ハワイの観光産業にかんする広告が何度も僕の目に飛び込んできました。 そこで嫌気がさしました。巨大な資本に一石投じようとしたって、奴…

南国の舞台裏

ゴールデン・ウィークにまつわる小話だ。 あの晩春、僕は11歳で、ハワイにいた。 ゴールデン・ウィークに関して言うと、そのハワイ旅行がこれまでのGW最大のイベントであり、春の連休を使って旅行したのも最初で最後であった。 そして、ハイアットに泊まった…

議論せよ、人とぶつかれ

今回は「情報発信」について少し。 やはり、ひとつの物事を続けるには、それに付随する一定の意味を認識しつづけなければいけないから、僕が「このブログで何をしたいのか」については、内省的な再確認も含めて、しつこいくらい主張していきたい。 ぼくはほ…

平和で、退屈な日曜日

静かで平和な日曜日。 自慢じゃないが、家から一歩たりとも外に出ていない。 ぼくは朝日新聞を読み、NHKの定時ニュースを観て、たまにCNNとBBCをipadで読み(英語のリハビリを兼ねている)、先進国以外のニュートラルな視点を得るため、アルジャジーラが英語…

クリミア半島について

最近、クリミア半島のロシア編入に関する報道が数多くされているが、思うことを書いていく。ナショナリズムが昨今の関心事であることが、この文章に現れていることは確かで、論理的な文章ではない。けど、それはまあいつものことだ。ただぼくの主張はある。 …