Maekazuの社会学

社会学を学ぶ大学生が、その時々思ったこと自由にを書きます。

青春の夢に忠実であるために

どうもこんにちは。

すっかり秋も深まりましたね。古来から日本人は、とりわけ文芸の世界では、春よりも秋に愛着を持っていたようです。そりゃそうです、温帯ですからね。フランスのニュース番組で、日本でおなじみの竹や蓮そしてイチジクの木などが「異文化の南国の植物」みたいに紹介されていました。寒さよりも暑さのほうが苦しい。『徒然草』の吉田兼好は家づくりについて「家は夏を旨とすべき」なんて書いてました。(その真逆のことを言う人もいた気がするけど清少納言でしょうか?)

でも今年は秋にあまりありがたみを感じない。お盆過ぎたあたりから涼しくなりました。

そうして今週、秋学期がスタートしました。学部3年ともなれば、それほど授業を入れなくても余裕そうですが、僕は社会調査士科目にゼエゼエと喘ぎながら2014年後半を過ごしたいと思ってます。統計は1890年代にはじまって以来、社会科学の重要な分析手法としてその役割を担ってきました。社会学を科学たらしめるため、逃げるわけにはいかないのです。

先日、母の職場のシンポジウムに参加しました。シンポジウムで休日を潰すとはまるで大学院生みたいです。

「21世紀のグローバル化社会において大学と研究は何ができるか」が講演のテーマでした。ドイツのヴィルヘルム・フォン・フンボルトの教養理念が議論の出発点で、これをかいつまんでまとめると、3つのエッセンスに集約できます。

1)国家や宗教から(とりわけ思想的に)自由であること、2)過去に構築された知に対して、批判的検証をもってして、知の更新をし続けること、3)人間性の向上を目指すこと。以上の3点こそが教養の理念であるとする考え方です。(ベルリンのウンター・デン・リンデンという目抜き通りに彼の名前を冠した大学を見た気がします)

僕は、大学を卒業してからは、知の消費者から知の生産者にならなければならないと考えています。もちろん大学院生は、研究者としてのキャリアを踏み出したばかりの学者の卵にすぎない存在ではありますが、それくらいの心意気で。

もうひとつ、フンボルトは「学問は目的を持たないもの」と言いました。

最近の学問の世界はてんで逆の方向に突き進んでるように思えます。人文・社会科学系の学問は、国立大学でも規模が縮小されているのが現状でして、それは自然科学や経済学の諸分野と比べて、われわれの人文・社会科学系の学問は市場的競争力が低いからです。一方で、マーケットへの迎合が行き過ぎると、それはそれで批判されます。

だからといって、社会科学が世の中の役に立てないわけではない。

ぼくは弱者の声を代弁し、問題点があれば解決方法を提示できる研究がしたいです。これは少年期に憧れたジャーナリストの理念と変わりません。発言力が小さく、困っていることを誰にも伝えられずに、孤独にもがき苦しんでいる人々の声を代弁することが新聞記者のミッションだと思ってます。

従軍慰安婦の誤報問題で、誤報批判の範疇を超えた過剰な朝日新聞批判をしている読売新聞はメディアの社会的な役割を再確認するべきです。もちろん朝日新聞の結論ありきの記事は、代弁すべき弱者の声の信憑性を揺るがします。許しがたいです。

話が逸れてしまったので戻します。

社会学は(そして他の人文・社会科学系の領域も)、たとえ市場的競争力がなくとも、このような社会的使命を担っていると信じています。

僕は人生のうちで、社会学の発展になにか貢献できる論文を1本でも書ければ、と願っています。

こんな感じで、近いうちに周りは就活に邁進しはじめますが、僕には僕なりの理念があります。フンボルト理念は「後ろ向きなユートピア」として批判にさらされました。それでも、できるところまでやってみましょう。

それと、先日、ゼミのTAの方とお話しして院生生活の心得を聞きました。この戦いは、終わりなき孤独との戦いでもあります。

「青春の夢に忠実であるために」とは19世紀のドイツの詩人、シラーの言葉で僕の大好きな言葉ですが、この戦いのテーマです。

なにかと忙しくてモチベーションを維持するのは大変ですが、こんな文章を書いて自分を鼓舞してます。(読んでくれてありがとう)

 

P.S

文章を書くことに対して、向上心がないことは日本の学生の特徴であると思います。

アメリカの大学の書店には、入り口近くの一番目立つ場所の棚に「English」のコーナーがあり、英語の母語話者である学生たちが自身の文章力やスピーチの能力を向上させるために一生懸命であることがうかがえます。ドイツの書店でもそんな傾向が読み取れました。ジュンク堂紀伊国屋等、日本の大型書店の「日本語」の棚は、どんな人たちのどんなニーズに対応しているのでしょうか。池袋は大きな書店があって、ここで学生生活を送ることについて幸せに思ってます。(書店とラーメンのまち)

そんなわけで、文章力を磨くために、このブログでも好き勝手書かせてもらおうかなーなんて思ってます。もう少し更新できるといいのですが、やはり無駄な文章を書くとなると、キーボードを叩く手が止まらないです。ついつい無駄な時間を使ってしまう。