Maekazuの社会学

社会学を学ぶ大学生が、その時々思ったこと自由にを書きます。

日本人と単一民族神話

休日の昼間、月に1度かならず会う人がいる。新聞の集金のために休日は(おそらく平日もだろう。平日の昼に出くわしたことがある)あちこち回っている。

サンバイザーこそ被っているものの、彼女の肌は恐ろしく白い。ベラスケスの絵画から抜け出してきたみたいだ。なぜ日焼けしないのか、ここ数年の疑問である。
日焼け対策は必要だ。男でも、いい歳して日焼けしてたら、なんだかかっこ悪い気がする。

僕は日焼け対策とは無縁で生きてきた。なんでかというと、日焼けすることを誇らしく思ってきたためだ。脆弱な身体を改善すべく入ったスポーツ少年団時代から変わらない。ある種、腕白少年の加入証明みたいなものなのだろう。
ゆえに夏休み明けにクラスやゼミのメンバーに焼けたねと言われるのがある種の快楽だった。

しかし、僕はそう簡単に日焼けできないタイプである。
アレルギーみたいにすぐに赤くなって、翌日には戻ってしまう。これを繰り返すことで、ようやく少し黒くなれる。

(僕の両親は北海道出身なのだが)
父が同じ体質なので、北方のイルクーツクとかギリヤーク人のロシア系民族の血が混ざっているのではないかと疑っていた。

しかし、親戚一同集まる機会に、NHKのファミリー・ヒストリーの記者気分で長老にインタビューしたことで、ルーツが少し明らかになった。
僕の高祖父(つまり4代前)の時に石川県の内灘から北海道に渡ったことが判明した。父方の祖母も北陸ルーツだという。これで自分のルーツの北方民族説が少し薄れてしまったわけだ。


われわれは「日本人」と一括りに、単一民族だと考えている人も多いだろう。これらは遺伝子レベルではある種の「神話」であると言わざるを得ないのが科学の見解だ。

大陸から、中国人、チベット族、そして朝鮮人とが朝鮮半島を経由して渡ってくるルートがある。

フィリピンなど南方から来たルートがある。海流にのってしまえば船でフィリピンから沖縄まで24時間とかからないらしい。

そして、イルクーツクやギリヤーク人など、北方ルーツの人たち。

もちろんアイヌや元から日本列島に住んでいた先住民もいる。


「立ち上がれ! 純血日本男児」とかいう落書きを見たことがある。
大宮かどこかのガード下に書いてあった。
アジア系外国人に対して、ヘイト・スピーチのデモをしている人たちにも問いたい。

あなたは何をもって、日本人を日本人であると言えるのか。

純血日本人という概念は曖昧だ。

われわれを日本人たらしめているのは、文化的な要因に他ならないと思う。
それならば、グローバル化にともなうローカルな摩擦もある程度、解消のための糸口が見つけやすくなるのではないだろうか。

時間ができたら小熊英二の分厚い本を一気に読みたい。