フランクフルト滞在日記① 現代社会の批判理論の本拠地へ
フランクフルト学派の本拠地、社会研究所に行った。
僕が卒論のテーマにしようとしている公共圏(詳しく言うと「対抗的公共圏の形成過程」である)について論じる人が避けては通れない、ユルゲン・ハーバーマスが2000年くらいまで研究していたであろう場所でもある。
「この建物はアメリカや公衆の援助によって再建された」(画像を参照:謙遜ではなくほんとうに拙訳なので真に受けないでください)というレリーフがあり、ナチスによる弾圧と研究所の亡命を思い出して、胸が熱くなった。
それぞれの理論はともかく、フランクフルト学派の歴史について勉強してきて良かった。心からそう思う。
そして、亡命の過程で、ヴァルター・ベンヤミンが僕の親くらいの若さで亡くなっていることも、そのレリーフは思い出させた。フランクフルト学派が「どうしてあんなことが起きたのか」と研究対象にするファシズムがなければ、まだまだたくさんの研究を残したはずだ。いろいろな想いが込もっている。
当然、道路を挟んだ向かいはフランクフルト大学(Johann Wolfgang Goethe-Universität Frankfurt am Main)で、
今日知った無駄知識によると、ゲーテ本人はライプチヒ大学やストラスブール大学に通った。つまりゲーテとは関係ないにも関わらず、フランクフルト大学にゲーテの名が冠されていて、ほんとうにこの街の人はゲーテが大好きなんだと思った。
とにかく、仕事場まで見に行ったのだから、さぞかし卒論も頑張れることだろう。来て良かった、フランクフルト!